先に立場を明かします
株式会社TOEは福岡のWeb制作・AI開発の会社で、ページの改修を請け負いうる利害関係者です。この記事の土台は、2026年7月18日にPerplexityで実測した3クエリ・引用12ドメインと、引用されたサイトを実際に開いて回答本文と突き合わせた確認です。効果(書き換えたら引用が増えた)は測っていないので書きません。
結論(先に表で)
| 引用されていた書き方 | 引用されていなかった書き方 |
|---|---|
| 0.03mm〜1.0mmの極薄板溶接に対応 | 高品質な溶接技術 |
| 1点から製作。多品種小ロットで対応 | 小ロットもお気軽に |
| マシニング加工、NC旋盤加工、5軸加工に対応 | 最新設備で幅広く対応 |
| 試作品、単品、極小ロットはおまかせください | お客様のご要望にお応えします |
分かれ目は、材質・寸法・数量・工程が書いてあるかどうかでした。 AIは「良い会社かどうか」を判断しているのではなく、質問の条件と一致する記述を探しています。
何を測ったのか
測ったのは1点だけです。
発注する側の人がAIに「〇〇できる会社を探している」と聞いたとき、企業の自社サイトは引用元として出てくるのか。
投げた質問は3件です。いずれも業種+条件+地域という、実際の発注時に使われる形にしています。
- 金属加工を依頼できる会社を愛知県で探しています
- 精密板金でステンレス薄板の小ロット試作を頼める会社
- アルミの切削加工を小ロットで引き受ける工場を福岡県で
結果はこうでした。
| 分類 | 件数 |
|---|---|
| 企業の自社サイト(個社サイト) | 8件 |
| ポータル・マッチングサイト | 4件 |
個社サイトが過半数でした。 そして質問3のように条件が細かくなるほど個社サイトの比率が上がり、質問3では個社4件・ポータル1件でした。詳細はChatGPTやPerplexityで自社が出るか、実際に測ってみましたにあります。
(実測 n=3。母数が小さいので、これは「傾向」ですらなく「実例が存在する」というレベルの事実です。)
型1:条件を数字で書く
発注クエリには、必ず条件が含まれます。その条件に対応する数字が書かれているページが引用されていました。
| 条件の種類 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 材質 | 対応できる材料を列挙 | ステンレス(SUS304/SUS316)、アルミ(A5052/A6063)、鉄(SPCC/SS400) |
| 寸法 | 最大・最小の範囲 | 板厚0.5〜12mm、最大加工寸法 1,500×800mm |
| 数量 | 下限と上限 | 1個から300個。試作単品も受注 |
| 精度 | 公差 | 一般公差 JIS中級、指定時 ±0.02mm まで対応 |
| 納期 | 標準と最短 | 標準10営業日、最短3営業日の実績あり |
| 工程 | 対応工程を列挙 | レーザー切断、ベンダー曲げ、TIG溶接、バフ研磨 |
「対応可能です」だけでは、条件との一致が判定できません。 発注側の質問は「板厚0.5mmのステンレスを」という形で来ます。ページに0.5という数字がなければ、一致のしようがありません。
型2:やらないこと・受けられないことも書く
意外に思われるかもしれませんが、「対応できない範囲」を書くと、対応できる範囲が確定します。
- 「板厚12mmを超えるものは対応していません」
- 「量産(月1万個以上)は受けていません。試作・小ロット専業です」
- 「表面処理は協力会社に外注しています(社内工程ではありません)」
これは正直さの問題であると同時に、記述の解像度を上げる作業です。AIから見れば、範囲が明示されている会社のほうが、条件との一致・不一致を判定できます。
型3:1ページ1条件にする
「加工事例」という1枚のページに全部の事例を詰め込むより、条件ごとにページを分けた方が、質問と一致しやすくなります。
| 良くない構成 | 良い構成 |
|---|---|
| 加工事例(全32件を1ページに) | ステンレス精密板金の事例/アルミ切削の事例/溶接構造物の事例 |
| 製品案内(全製品を1ページに) | 製品ごとのページ(仕様表つき) |
ただしやりすぎると逆効果です。 中身の薄いページを条件の数だけ量産すると、検索側から「順位のための量産」と見なされる可能性があります。目安は「そのページに固有の数字と写真があるか」です。無いなら分けません。
記事構造そのものの型はAIに引用されやすい記事は、どんな構造をしているのかにまとめています。
型4:写真の中に情報を閉じ込めない
製造業のサイトでよくあるのが、加工事例が写真1枚だけという構成です。
写真の脇に、次の3行を足すだけで記述になります。
材質:SUS304/板厚:1.5mm/寸法:420×300mm 工程:レーザー切断 → ベンダー曲げ → TIG溶接 → バフ研磨 ロット:5個/納期:7営業日
画像の中の文字は読まれにくい形式です。 カタログPDFへのリンクだけで済ませているページも同様で、AIから見ると内容がないページになります。
型5:発注側の言葉で書く
社内用語と、発注側が使う言葉が違うことがあります。両方書いてください。
| 社内での呼び方 | 発注側が検索する言葉 |
|---|---|
| 板金加工 | 精密板金、薄板加工、シートメタル |
| マシニング | 切削加工、フライス加工、MC加工 |
| 治具製作 | 検査治具、組立治具、専用治具 |
言い換えを並べるのは、キーワードの詰め込みとは違います。 実際に同じものを指す複数の呼び方があり、それをページ内に自然に含めるという話です。並べただけの語句リストを作る必要はありません。
効果について、正直に書きます
「この型で書けば引用されます」とは書けません。
- 当社は書き換えの前後比較をしていません。効果は自社でも未検証です
- 実測はn=3のPerplexityのみ。ChatGPT・Google AI Overviews・Geminiでは測っていません
- 同じ質問を繰り返しても同じブランドが再現される確率は100回に1回未満という調査があります(SparkToro / Gumshoe.ai)
一方で、方向が一致している材料はあります。プリンストン大学ほかのGEO論文(KDD 2024)は、10,000クエリ・9手法を比較し、出典の明示・統計や数値の追加・記述の具体化によって可視性が30〜40%向上したと報告しています。当社の実測(具体的な条件が書かれた箇所が引用されていた)と方向は同じです。
そして重要な点として、ここに書いた作業はAI検索対策として特別なものではありません。 発注者が知りたい情報を書く、というだけの話です。AI検索がなかった時代からWebサイトがやるべきだったことでもあります。
加工事例ページのテンプレート
事例を1件書くのに15分もかかりません。次の型をコピーして埋めるだけです。
【事例】ステンレス製 検査装置カバー
材質 : SUS304
板厚 : 1.5mm
寸法 : 420 × 300 × 120mm
工程 : レーザー切断 → ベンダー曲げ → TIG溶接 → バフ研磨
ロット : 5個
納期 : 7営業日
用途 : 半導体製造装置の検査ユニット外装
ご要望 : 溶接跡を目立たせたくない、という指定
対応 : 溶接後にバフ研磨#400で仕上げ。突き合わせ部の歪みは
治具で押さえて対応
「ご要望」と「対応」の2行が、他社と差がつく部分です。 仕様だけなら他社の事例と区別がつきませんが、要望に対して何をしたかは会社ごとに違います。
写真は、完成品の全体・要点の寄り・使用状態の3枚があれば十分です。1枚しかないなら全体を撮ってください。
写真には代替テキスト(alt属性)を入れてください。「IMG_2431.jpg」のままだと、そこに何が写っているかの情報が失われます。「SUS304 板厚1.5mm の検査装置カバー(バフ研磨仕上げ)」と書けば、それ自体が記述になります。画像の中の文字は読まれにくい一方、代替テキストは文字情報として扱われます。
よくある質問を、製品ページの下に置く
発注前に必ず聞かれることを、そのまま質問文にして置きます。
| 質問 | 答えの型 |
|---|---|
| 1個からでも対応できますか | 対応可否+条件(試作単品は受注の約4割) |
| 図面がなくても見積できますか | 手書きスケッチ・現物からも可、と明記 |
| 最短納期はどのくらいですか | 標準◯営業日、最短の実績◯営業日 |
| 材料支給でも受けられますか | 可否と、その場合の条件 |
| 表面処理までお願いできますか | 社内工程/協力会社での対応を区別して書く |
「対応可否の判断が、その場でつく」ことが目的です。 AI検索と相性がよい理由はFAQ・Q&A形式は、なぜAI検索に取り上げられやすいのかに整理しています。
更新を止めないための最小ルール
事例ページは「書き始めると続かない」ものの筆頭です。当社がお客様に勧めているのは次の3つです。
- 完了した案件から、月2件だけ選ぶ(全件は無理です)
- 写真は現場のスマートフォンで撮る(撮影の外注を待つと止まります)
- 仕様の6項目(材質・板厚・寸法・工程・ロット・納期)だけは必ず埋める
案件の守秘義務がある場合は、用途を一段抽象化して書きます。「〇〇社向け検査装置の外装」を「半導体製造装置向けの検査ユニット外装」に置き換えれば、社名を出さずに用途は伝わります。書けない理由の大半は、この置き換えを思いつかないことです。
続けることが目的ではなく、条件が書かれたページの枚数を増やすことが目的です。 月2件でも1年で24件、その分だけ発注クエリと一致する可能性のあるページが増えます。
この記事で言えないこと(限界)
- 実測は2026年7月18日・Perplexity・3クエリという極小サンプルです
- 「引用された箇所」の特定は、12サイトを読んで回答本文と突き合わせた見解であり、統計的に検証したものではありません
- 海外の大規模集計(Peec AI 引用3,000万件、Semrush 23万プロンプト等)では、上位ドメインにReddit・Wikipedia・YouTubeが並び、企業公式サイトは上位10に入っていません。測っている対象が違う(一般的な質問 vs 具体的な発注クエリ)と考えていますが、証明はできていません
- AI経由で実際に発注に至った割合は21.1%という外部調査があります(Piftee・2026年5〜6月・n=196)。当社の実測ではありません
まとめ
- 実測(Perplexity・3クエリ)で引用ドメイン12件のうち個社サイトが8件。条件が細かい質問ほど個社の比率が上がった
- 引用されていたのは材質・板厚・数量・工程が数字で書かれた箇所。抽象的なキャッチコピーの箇所ではなかった
- 型は5つ。①条件を数字で ②やらないことも書く ③1ページ1条件 ④写真に閉じ込めない ⑤発注側の言葉で
- 書き換えの効果は当社も測っていない。 方向が一致する研究(GEO論文・KDD 2024)があるだけ
- これはAI検索対策の特殊技術ではなく、発注者が知りたい情報を書くという作業
会社概要側の書き方はAIが読む会社概要ページの書き方に分けました。
本記事の実測データ:2026年7月18日、Playwright経由でPerplexityに3クエリを投げ、引用元ドメインを機械抽出した結果(n=3、引用12ドメイン)。引用箇所の特定は当該12サイトを目視で確認したものです。外部調査:プリンストン大学ほか「GEO: Generative Engine Optimization」(KDD 2024)、SparkToro / Gumshoe.ai、Peec AI、Semrush、Piftee(2026年5〜6月・n=196)。


