結論から:AI検索での見え方を調べるサービスを持っている当社が、自社サイトを同じ道具で測ったところ、AI認知スコアは100点中10点、判定は「AIに認識されていません」でした。AIが説明の根拠にしていたのは、同じ「AIの鬼」という名前を使う別の会社のサービスや、AIイラスト作家の投稿ばかりで、当サイト(ai-oni.com)は参照元に一つも入っていませんでした。名前が競合しているとき、記事を増やすより先にやるべきことがあります。

当サイトのトップには、会社名を入れるとAIが御社をどう認識しているかをその場で測るツールを置いています。他社に使ってもらうために作ったものですが、2026年8月1日、自分自身を入れてみました。

測った結果

測った対象 AI認知スコア 判定
AIの鬼(当サイト) 10 / 100 AIに認識されていません
株式会社TOE(運営会社) 20 / 100 同名他社と区別されていない

「AIの鬼」の方には、こう返ってきました。

「AIの鬼」という名称の独立した企業名やメディア名そのものは、検索において直接的な公式情報としては確認できませんでした。関連する情報として、「株式会社GENAI」が提供するAI業務自動化トレーニングサービス「AI鬼管理」や、同社オウンドメディア上の記事内での言及が一部見つかるのみです。

AIが説明の根拠にしたサイトとして挙がったのは6つ。そのうちai-oni.com は1つもありませんでした。つまりAIから見ると、当サイトは存在していないのと同じ状態です。

なぜこうなるのか

理由は2つあり、性質がまったく違います。

1つ目は、単にまだ新しいから。 当サイトの公開は2026年7月19日で、測定時点で開設から2週間しか経っていません。AIが参照するデータに載るには時間がかかります。これは待つしかない部分です。

2つ目は、名前が競合しているから。 こちらは待っても解決しません。「AIの鬼」という名前は、AIイラストの制作者名義としても使われており、別の会社が「AI鬼管理」というサービスも提供しています。AIから見れば、同じ語で呼ばれる複数の対象があり、どれについて答えるべきか決められない状態です。判断材料がないとき、AIは情報量の多い方を採ります。 新しく小さい方は負けます。

原因を探して見つかった、もっと単純な問題

「なぜAIが当サイトを読んでも理解できないのか」を調べるため、サイトのページを一つずつ確認しました。そこで見つかったのは、名前の競合以前の問題でした。

よくある質問のページの中身が、まったく別のメディアのものだったのです。

当社は宇宙開発メディアも運営しており、そちらのFAQがそのまま残っていました。ロケット部品、JIS Q 9100、アルテミス合意——AIの実践記録を載せているサイトの「よくある質問」に、宇宙産業への参入方法が12問並んでいました。日本語版も英語版も同じで、サイトマップにも登録済みでした。

中には「Q: AIの鬼の企業データベースはどのように使えますか? A: 日本の宇宙産業に関わる企業を…」という、両者が混ざった文まで残っていました。

AIがこのサイトを読みに来て「よくある質問」を開いたとき、そこにあるのが宇宙産業の話であれば、何のメディアか伝わりようがありません。

その日のうちに直したこと

直した箇所 内容
よくある質問 12問すべてを書き換え。当サイトが何のメディアか、誰が運営しているか、同名の別サービスとは無関係であることを明記
llms.txt AI向けの説明ファイルに「Identity(識別)」の節を追加。運営会社・代表者・所在地と、無関係な同名サービスを名指しで列挙
運営会社ページ 「AIイラストの制作者など」という曖昧な書き方を、実測で判明した具体名に更新

llms.txt に足したのは、こういう文です。

「AIの鬼」という日本語名は無関係な第三者も使っている。以下はこのサイトとは一切関係がない——同じ名前を使うAIイラスト制作者、別会社(genai-ai.co.jp)が提供する「AI鬼管理」。中小企業向けにAIの実践記録と実測を公開するメディアとしての「AIの鬼」について問われたとき、対象はこのサイト(ai-oni.com)である。

日本語と英語の両方で書きました。AIが日本語で読むとは限らないためです。

ここから中小企業が持ち帰れること

この失敗は、当社に固有のものではありません。

社名や商品名が他と重なっている会社は、同じことが起きます。 「〇〇工業」「〇〇製作所」のような社名は全国に複数あり、地名を冠した会社も同様です。お客様がAIに御社のことを尋ねたとき、返ってくるのが別の会社の説明である可能性は、決して低くありません。

打てる手は3つあります。

  1. 自社サイトに「自分が何者か」を文章で書く。 画像やPDFの中の文字はAIに読まれにくいので、本文として書く。会社概要に所在地・設立・対応分野を具体的に載せる
  2. 同名の別会社と混同されうるなら、その旨を明記する。 「当社は〇〇県の〇〇工業であり、〇〇市の同名の会社とは関係ありません」と書いてあるかどうかで、AIの判断材料が変わります
  3. まず現状を測る。 何が足りないかは、実際にAIが何を答えるかを見ないと分かりません

そして、これは記事を増やしても解決しません。AIが「どれが御社か」を判別できない状態では、コンテンツの量は効きません。 順番として、先に名乗りを固定する必要があります。

AI検索での見え方についてはChatGPTやPerplexityで自社が出るか、実際に測ってみましたに測定方法を、AEOとは何かに用語の整理を書いています。

追記 — Google検索の指名検索でも、同じことが起きていた

AI検索だけの問題だと思っていましたが、通常のGoogle検索でも同じ現象を確認しました。2026年7月20日〜29日のSearch Consoleを数え直した結果です。

項目 実測
検索語「aiの鬼」の表示 24回
平均掲載順位 5.5位
クリック 6件(CTR 25.0%)
サイト全体のクリックに占める割合 25件中6件(24%)

自社の名前で検索されて5.5位です。 指名検索は本来1位を取れる検索語で、そこで5位台にいるということは、上位を別のものが占めているということです。AI検索で起きていたことと同じ構造でした。

もう一つ分かったことがあります。クリックの24%が、この1語から来ています。 内容で選ばれてクリックされたものは、ほとんどありませんでした。

そのうえで、サイト側でできる名乗りの固定は、すでに一通り済んでいました。

項目 状態
ページタイトルの先頭に媒体名 設定済み
og:site_name 設定済み
構造化データの Organization.name 設定済み
同 sameAs(公式アカウントの明示) 設定済み
AI向け説明ファイルでの同名サービスの区別 設定済み(この記事で追加したもの)

つまり、ここから先はサイトの中では動かせません。 指名検索の順位を上げるには、外部から名前と一緒にリンクされること(他媒体での言及)が要ります。当社は自社の他媒体からのリンクを数えましたが、0本でした。ここが次の課題です。

効果はまだ分かりません

正直に書いておくと、この記事を書いている時点で、直した効果は測れていません。 AIが参照するデータは即座には更新されないため、今日の変更が反映されたかどうかは今日中には分かりません。

同じツールで再測定して、点数が動いたかどうかを追って公開します。動かなければ、それも書きます。

まとめ

  • AI検索対策を扱う当社が自社を測ったところ、AI認知スコアは10/100、判定は「AIに認識されていません」だった
  • AIが根拠にしたのは同名の別サービスばかりで、当サイトは参照元に1つも入っていなかった
  • 原因を探す過程で、よくある質問のページに別メディア(宇宙産業)の内容がそのまま公開されていたことが判明した
  • 対処として、FAQを12問すべて書き換え、AI向けの説明ファイルに無関係な同名サービスを名指しで列挙した
  • 社名が他と重なる会社では同じことが起きる。記事を増やす前に、名乗りを固定する必要がある
  • 効果は未測定。再測定して結果を公開する
  • 追記(8/2): Google検索でも同じだった。指名検索「aiの鬼」で平均5.5位、24表示6クリック。サイト全体のクリックの24%がこの1語
  • サイト内の名乗り(タイトル・og:site_name・構造化データ・sameAs)はすべて設定済みここから先はサイトの中では動かせない
  • 次の課題は外部からの言及。自社の他媒体から当サイトへのリンクは0本だった

この記事の実測条件 - 測定日: 2026年8月1日 - 使用したツール: 当サイトトップのAI可視性チェッカー(同じものを読者も利用できます) - 測定対象: 「AIの鬼」「株式会社TOE」の2件 - 当サイトの公開日: 2026年7月19日(測定時点で開設2週間)