結論から:検索順位が付いていても、クリックされるとは限りません。当社は自社メディア「AIの鬼」のSearch Consoleを10日ぶん数え直しました。10位以内に155ページが出て562回表示され、クリックは21件。そのうち140ページは1件もクリックされておらず、440回ぶんの表示が素通りされていました。原因は順位ではなく、検索結果に出ているタイトルと説明文でした。逆に最も効率が良かったのは、表示のわずか7.2%しか占めていないコーナーページで、ここだけでクリックの32%を取っていました。
株式会社TOEはAI検索対策(AEO)とWeb制作を事業としており、この記事は提供する側が書いています。中立の第三者ではありません。他社サイトは分析せず、自社の実測だけを載せます。数字は都合の悪いものも含めて出します。
全体の実測
集計期間は2026年7月20日〜29日の10日間です。
| 項目 | 実測 |
|---|---|
| 表示されたページ | 236ページ |
| 総表示回数 | 762回 |
| 総クリック | 25件 |
| 全体のCTR(クリック率) | 3.28% |
順位が悪いわけではありませんでした。
| 項目 | 実測 |
|---|---|
| 10位以内に出たページ | 155ページ |
| その表示回数 | 562回(全体の73.8%) |
| そのクリック | 21件(CTR 3.74%) |
| うちクリック0だったページ | 140ページ(表示440回) |
1ページ目に出ているページの9割が、1件もクリックされていません。 順位を上げる作業をしても、この状態では数字は動きません。
区分ごとに分けると、差がはっきり出た
ページの種類で分けたところ、CTRが7倍開いていました。
| 区分 | ページ | 表示 | 占有 | クリック | CTR | 平均順位 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ニュース個別 | 142 | 395 | 51.8% | 8 | 2.03% | 20.4位 |
| 自社記事 | 73 | 161 | 21.1% | 7 | 4.35% | 17.0位 |
| 論文一覧(ページ送り含む) | 9 | 150 | 19.7% | 2 | 1.33% | 8.7位 |
| コーナー・トップ | 11 | 55 | 7.2% | 8 | 14.55% | 9.8位 |
読み方は2つあります。
1つ目。表示の71.5%を、CTRが2%前後の2区分(ニュース個別・論文一覧)が占めています。 サイトの露出のほとんどが、クリックされない場所に使われていました。
2つ目。コーナーページは表示の7.2%しか占めていないのに、クリックの32%(25件中8件)を取っています。 ここだけCTRが14.55%で、他の区分の3〜7倍あります。
原因1 — タイトルが配信元と一字一句同じだった
最も表示が多かったページを個別に見ます。
| ページ | 表示 | 順位 | クリック |
|---|---|---|---|
| ニュース個別A | 43回 | 4.8位 | 0 |
| ニュース個別B | 35回 | 2.7位 | 0 |
| ニュース個別C | 40回 | 7.0位 | 1 |
2.7位で35回表示されて、クリックが0です。 通常この順位なら、10回前後のクリックが期待できます。
原因は検索結果の見た目にありました。当社のニュース個別ページは、配信元の記事を紹介して自社の解説を添えるページです。ところがページのタイトルが、配信元の記事タイトルと一字一句同じでした。
検索結果には、配信元の記事と当社のページが並びます。同じ見出しが2つ並んだとき、読者は原典を選びます。当然です。同じタイトルで一次情報と競合しても勝てません。
原因2 — 説明文が元記事の要約と区別がつかなかった
検索結果に出る説明文(meta description)も確認しました。クリック0だったページの説明文はこうなっていました。
中国のMoonshot AIが、フラッグシップモデル「Kimi K3」を発表した。総パラメータ数2.8兆、コンテキストウィンドウ100万トークン超、デフォルト出力上限13万トークンという仕様は…
事実の要約としては正しいのですが、配信元の記事の説明と区別がつきません。 タイトルも同じ、説明も同じなら、開く理由がありません。
厄介なのは、ページの中には独自の視点が書いてあったことです。当社の解説は3段落構成で、
- 何が起きたのか(事実の言い直し)
- AIの鬼の視点 — ここが主役
- 中小企業の実務にどう効くか
と作っています。ところが説明文に出していたのは1段落目でした。主役である2段落目は、検索結果に一度も出ていませんでした。
書いてあるのに、見せていなかったというのが実態です。
原因3 — 中身のない一覧ページが1ページ目を占拠していた
3つ目は、論文一覧のページ送り(2ページ目、3ページ目…)です。
| 項目 | 実測 |
|---|---|
| ページ数 | 9ページ |
| 表示 | 150回(全体の19.7%) |
| 平均順位 | 8.7位 |
| クリック | 2件(CTR 1.33%) |
平均8.7位。サイト全体で最も順位が良い区分です。 それでいてCTRは1.33%で最下位でした。
理由は明らかです。ページ送りには論文のタイトルが大量に並んでいます。そのため珍しい固有名詞の検索に引っかかりますが、開いても目当ての論文が8ページ目のどこかにあるだけです。読者は探しません。
1ページ目の枠を、中身のないページが埋めていました。 検索エンジンに「出しても選ばれないサイト」という記録を積み上げる働きしかしていません。
効いていたもの — コーナーページ
逆に、最もクリック率が高かったページを見ます。
| ページ | 表示 | 順位 | クリック | CTR |
|---|---|---|---|---|
| 「中の鬼」コーナー | 11回 | 2.3位 | 3 | 27.3% |
| 「失敗の鬼」コーナー | 24回 | 8.4位 | 4 | 16.7% |
8.4位でCTR16.7%です。同じ8位台の論文一覧(1.33%)と比べて12倍あります。
差は中身ではなく、名前で何が読めるかを示していることでした。「失敗の鬼」は失敗の記録が集まっている場所だと分かります。一方「論文一覧の8ページ目」からは何も分かりません。
直した順番
原因のうち、当社が直したものと直していないものを分けて書きます。
| 原因 | 対処 | 状態 |
|---|---|---|
| 1. タイトルが配信元と同一 | タイトル末尾に「ここで何が追加で読めるか」を付けた | 実施済み |
| 2. 説明文が1段落目だった | 2段落目(独自の視点)を出すよう変更 | 実施したが、翌日数え直したら3割に効いていなかった(下記) |
| 3. 一覧のページ送りが上位を占拠 | 2ページ目以降を検索対象から外した | 実施済み |
| — 外部からのリンクが実質ゼロ | 自社の他媒体からのリンクが0本だった | 未着手 |
そして原因2の修正は、翌日に3割へ効いていないことが分かりました。 説明文に「2段落目」を出す実装は、2段落目が存在することが前提です。対象445件の段落数を数えたところ、131件(29.4%)が1段落しかなく、修正が効かずに1段落目が出ていました。経緯は直したはずの修正が、3割に効いていなかったに分けて書いています。
効果はまだ測れていません。 検索データは2〜3日遅れて集計されるため、直した直後の期間はデータがほとんど入っていません。上の数字が7月29日までなのはそのためです。
直しながら測ることはできない、というのがこの作業で分かったことです。改修を打つほど、どれが効いたのか分からなくなります。
この記事で言えないこと
- 直したら改善した、とはまだ書けません。 反映されるのは数日後です
- 他社サイトの分析もしていません。 当社は提供する側で、その立場にありません
- 一般的なCTRの目安も出していません。 業種と検索語で変わるため、単一の数字は誤解を招きます
- ここに書いたのは、自社の10日ぶんの実測だけです
まとめ
- 10位以内に155ページ出て562回表示され、クリックは21件。 うち140ページはクリック0(表示440回)
- 順位ではなく検索結果に出ているタイトルと説明文が原因だった
- 原因1 — タイトルが配信元と一字一句同じ。同じ見出しが2つ並べば読者は原典を選ぶ
- 原因2 — 説明文に独自の視点を出していなかった。 3段落のうち主役は2段落目なのに、1段落目を出していた
- 原因3 — 中身のない一覧のページ送りが平均8.7位で150回表示され、CTRは1.33%。1ページ目の枠を埋めていた
- 効いていたのはコーナーページ。表示の7.2%しか占めないのにクリックの32%を取り、CTRは14.55%
- 差は中身ではなく名前で何が読めるかを示しているか。「失敗の鬼」は分かり、「一覧の8ページ目」は分からない
- 直しながら測ることはできない。 検索データは2〜3日遅れる。改修を重ねるほど、どれが効いたか分からなくなる
- 原因2の修正は、翌日に数え直したら3割(131件)に効いていなかった。 修正が前提にしていた「2段落目がある」が成り立っていなかった
この数え直しを含め、AI導入の効果をどう測るかはAI導入の効果はどう測るかに整理しました。サイトの点検手順は自社サイトを1日点検したら、検索結果に出ているページの3割が404だったに、AI検索での見え方はAI検索対策を売る会社が自社を測ったら10点だったに、このデータを取る配管を作った経緯は検索データはまだゼロ。それでも配管を先に作った理由に書いています。AEOそのものの整理はAEOとは何かにあります。
この記事の立場 株式会社TOEはAI検索対策(AEO)とWeb制作を事業としており、提供する側が書いています。中立の第三者ではありません。他社サイトは分析せず、自社の実測だけを材料にしています。挙げた原因は当社が作り込んでしまったもので、改修の効果はまだ測れていません。
実測値の出所 Google Search Console API(sc-domain:ai-oni.com)、集計期間 2026年7月20日〜29日。ページ単位で取得し、URLの形で5区分に分けて集計しました。


