先に立場を明かします

株式会社TOEはAI検索対策のサービスを売りうる利害関係者です。この記事に載せるのは実際に測った結果だけで、対策の効果を示す数字(順位が上がった・引用が増えた等)は測っていないので書きません。

この記事は、当社の想定が外れた記録です。「中小企業はAIに認識されていないはずだ」という前提で測り始めましたが、結果は逆でした。自社に都合の悪い結果でしたが、そのまま出します。

結果が芳しくなかった会社の社名は出しません。AIにうまく伝わっていないことは、その会社の努力不足ではなく、多くの中小企業がまだ手を付けていない領域だからです。実名で挙げるのは、AIが十分に説明できていた会社だけにしています。

調べた対象

母集団は2つです。①パーツネット北九州「金属加工グループ」の加盟企業32社(2026年8月1日時点の公開名簿・全社)②福岡県で精密板金・金属加工を手がけ、自社の公式サイトを持つ企業13社。合わせて45社を測りました。

恣意的に選んでいません。名簿に載っている会社は全社測っています。検索で上位に出る会社だけを選ぶと、すでに発信できている会社に偏り、測りたいものが測れなくなるためです。


結論

項目 結果
調べた会社数 45社
AIが公式サイトを根拠に説明できた 42社(93%)
AIは説明できたが根拠は第三者情報だけ 0社(0%)
AIが会社を特定できなかった 0社(0%)
同名他社と区別できなかった 3社(7%)

45社のうち42社(93%)で、AIは公式サイトを根拠に会社を説明できました。

これは調査前の想定と逆でした。「中小企業はAIに認識されていない」と考えて測り始めましたが、認識されているかどうかでは、もう差がつきません。

差が出たのは別の項目です。AIが確認できた事実のうち、報道・業界メディアで取り上げられているは14社(31%)にとどまりました。社名を尋ねれば説明は返ってくる。しかし、その説明にどれだけの中身があるかは、会社によって開きがあります。


どうやって測ったか

項目 内容
実測日 2026-08-01
使ったAI Google Gemini(Flash-Lite)+ Google検索グラウンディング
質問 「この会社は何をしている会社か」を会社名だけで尋ねる
回数 1社あたり3回。項目ごとに合議して判定
判定 AIが返した回答と、AIが実際に参照したサイトの両方で判定

同じ質問を複数回投げているのは、生成AIの回答が実行ごとに揺れるからです。1回だけ測って「認識されていない」と結論づけるのは乱暴なので、複数回のうち一度でも確認できた事実は「確認できる事実」として扱っています。つまりこの集計は、実態より甘い側に倒してあります

判定の4段階は次の通りです。

段階 意味
公式サイトが根拠になっている AIが会社を説明でき、その根拠に自社の公式サイトが使われていた
第三者の情報だけで語られている AIは説明できたが、根拠は求人サイトや企業データベースだけだった
AIに認識されていない AIが会社を特定できず、事業内容を説明できなかった
同名他社と区別されていない 同じ社名の会社が複数あり、どの会社かAIが特定できなかった

AIが最も詳しく説明できた会社

公式サイトが根拠になっていた42社のうち、AIが7項目すべてを確認できたのは11社でした。事業内容から取引先、第三者による言及まで、AIが説明の材料を一通り持っている会社です。

会社名
太田機工株式会社
株式会社サンノハシ
株式会社テクノステート
株式会社中島ターレット
株式会社中村プレス
株式会社勝山工作所
株式会社戸畑ターレット工作所
株式会社戸畑製作所
株式会社河村工機製作所
株式会社鈴木研磨
株式会社高木製作所

※ 順不同です。当社の判定によるもので、企業の優劣を示すものではありません。掲載を希望されない場合はご連絡ください。速やかに削除します。


何が差を分けたか

AIが会社について確認できた事実を、項目ごとに数えました。保有率の低い順に並べています。ここで下にある項目ほど、いまAIが語れていない部分です。

AIが確認できた事実 社数 割合
事業内容が具体的に分かる 45社 100%
主力製品・サービス名が分かる 44社 98%
所在地が分かる 44社 98%
従業員数・売上規模が分かる 43社 96%
設立年が分かる 42社 93%
取引先・納入実績が分かる 34社 76%
報道・業界メディアで取り上げられている 14社 31%

上6項目はほぼ全社が満たしています。会社概要に書いてあれば確認できる情報だからです。はっきり落ちるのは最後の1つ、報道・業界メディアで取り上げられているだけで、14社(31%)でした。

ここが自社サイトの記述だけでは動かない項目です。所在地や設立年は自分で書けば済みますが、第三者に書かれるかどうかは自分では書けません。この実測でいちばんはっきり差が出たのは、そこでした。


明日から打てる手

「AIに載る」ための対策は、この母集団ではもう終わっています。次に効くのは、AIが語れる中身を増やすことです。以下は一般的な対策で、効果を当社が測定したものではありません。

やること なぜ
納入実績・取引分野を(出せる範囲で)具体的に書く AIが確認できた会社とできなかった会社で、最も差が開いた項目のひとつ
技術解説・加工事例を自社サイトで出し続ける 業界メディアや取引先が引用する材料になる。最も保有率が低かったのが第三者からの言及
展示会出展・受賞・新設備導入をリリースにする 第三者に書かれた情報は、AIが説明を組み立てるときの裏付けになる
社名に地域と事業を結びつけて書く 同名他社と混同されるのを防ぐ(この実測でも数社が該当)

まとめ

  • 福岡県の金属加工業45社を実測し、公式サイトが根拠になっていたのは42社(93%)
  • 「中小企業はAIに認識されていない」という想定は、この母集団では外れた
  • 差が出たのは認識の有無ではなく中身。最も低かったのは報道・業界メディアで取り上げられているで14社(31%)
  • ただし3社は、同名他社と区別されていなかった
  • この実測は複数回の合議で、実態より甘い側に倒してある

この記事の限界

  • 測ったのは1種類のAIでの見え方です。ChatGPTやPerplexityでは結果が異なります
  • 生成AIの回答は実行ごとに揺れます。同じ会社を測り直すと判定が変わる可能性があります
  • 「AIが検索結果の上位に出すか」は測っていません。測ったのは説明できるか・何を根拠にするかだけです
  • 掲載企業の許諾は取っていません。公開情報にAIが答えた内容のみを扱っています

実測データ: data/visibility/parts_net_kitakyushu.json(実測日 2026-08-01)