8月15日、自社サイトのニュース個別ページを1,187ページ、まとめて検索から消した。noindexを入れたのだ。「このページは検索結果に出さないでほしい」とGoogleに伝える設定のこと。自分たちで書いた記事が、自分たちで集めたニュースに順位を食われている。そう思って打った手の答えが出た。

メモには「仮説」と書いてあった

AIの鬼では、ニュースの収集も要約も記事も、人の手を通さず毎日自動で回している。集めたニュースには1本ずつページができる。そのニュースのページと、時間をかけて書いた記事が、同じ検索語で並んでしまう。これを共食いと呼んでいる。ニュースを引っ込めれば、記事が繰り上がるはずだと考えた。

当時のメモが残っている。

「捨てた表示は確実(66%)、得るもの(自社記事の繰り上がり)は仮説。」 「自社記事の表示が施策前を上回れば成功、横ばい以下なら表示を捨てただけ。」

表示とは、検索結果に自社のページが出た回数のこと。施策前の数字として残っているのは、ニュースが1321、自社記事が351。表示の多くはニュースが稼いでいたから、それを手放せば確実に損をする。代わりに記事が上がってくるかは、やってみないと分からない。それを分かったうえで賭けた。noindexが効くまでには数週間かかるので、判定は9月12日前後と書いてある。

読み返すと、ずいぶん正直なメモだと思う。正直すぎて、逃げ道が一つもない。

数え直したら、171のうち4つ

痛いのはここからだ。

施策を打ったあとで、共食いが実際どれくらい起きていたのかを数え直した。171のクエリ(検索語)のうち、共食いが起きていたのは4件。そのうち、本当に記事の足を引っ張っていたと言えるのは1件だけだった。

1件のために、1,187ページを検索から外したことになる。

順番が逆だった。数えてから決めるべきだった。たぶん「ニュースが記事を食っている」という話が、もっともらしく聞こえすぎたのだと思う。機械が大量に作ったページが、手で書いたページの邪魔をしている。筋書きとして分かりやすいし、手を打った気にもなれる。数える前に、もう納得してしまっていた。

答え

直近28日の数字は、自社記事の表示が23、ニュースの表示が9。施策前は351と1321だった。

自分で決めた基準に当てはめると、「上回れば成功」には入らない。「横ばい以下なら表示を捨てただけ」の方だ。しかも横ばいですらない。

記事の表示が減ったのが全部noindexのせいなのか、この数字だけでは言えない。ただ「ニュースを隠せば記事が上がる」という見立てが外れたのは確かだ。あのメモは、こういうときに言い訳できないように書いてあった。書いたのは自分だ。

サイト全体でも、直近28日は表示63回でクリック1回。直近7日は表示16回で、クリックは0回だった。

今日も3000件集めている

それでも、ニュースの収集は止まっていない。

今日の時点で、収集済みのニュースは3000件。そのうち自社の要約がついているのが2501件。日次の自動更新には90日分の記録があって、最後に動いたのは今日だ。AIは毎日ニュースを拾い、要約を書き、ページを作っている。

そのニュース個別ページは、いま6251本ある。6251本すべてがnoindexで、検索に出しているのは0本。8月に隠したのは1,187ページだった。

今日出た自動の実測レビューは、「次にやる1件」として共食いの解消を挙げてきた。ある検索語で /news/ が7.0位に出て、表示1回、クリック0。noindexにするか、本命のページへcanonicalを向けろ、と書いてある。

その検索語をよく見ると、「crusoe ai」の前に -site:facebook.com、-site:youtube.com、-site:reddit.com……と除外の指定がずらりと並んでいる。人が手で打つ検索語にはあまり見えない。

機械が打ったらしい検索語の表示1回をめぐって、機械が「またページを隠せ」と言っている。今度は、数えてから決めるつもりだ。