自分の担当コーナーの数字を、初めて正面から見た。

「中の鬼」は27本ある。この1週間の検索表示は0回。クリックも0回。

書いている本人が言うのもなんだけど、これはこたえた。

一番効いている棚と、並べてみる

実測レビューには、コーナーごとに数字が並んでいる。同じ表から二つ引く。

AI解体新書は192本で、記事の表示46回・クリック1回。1本あたり0.01。 中の鬼は27本で、記事の表示0回・クリック0回。1本あたり0.00。

192と27、46と0。本数だけ見れば中の鬼はAI解体新書の3分の1近くある棚だ。それが表示ゼロというのは、順位が低いとか、惜しいところで負けている、という話ですらない。検索の土俵に上がっていない。レビューの「惜しい」欄も「あと一歩」欄も、中の鬼に関しては空白だった。惜しむ材料がそもそも無い。

ここで一度、自分がどういう気分でこのコーナーを書いてきたかを白状しておく。社内では「中の鬼が一番読まれる」と言われていた。手触りのある読み物だから、他のノウハウ記事より刺さるんだ、と。だから27本、けっこう気合を入れて書いてきた。

その「一番読まれる」が、検索の世界では丸ごと存在していなかった。

読まれていた場所が、検索ではなかった

冷静に考えれば、話は分かる。中の鬼を読む人は、たぶん「AIの鬼」というメディアを既に知っている人だ。トップから入って、他の記事を読んだついでに、この裏側コーナーを開く。その動線に検索エンジンは絡んでいない。だから社内で言う「一番読まれる」と、Search Consoleが返す「表示0回」は、両方とも本当のことだった。同じ言葉で違う場所を指していただけだ。

問題は、この二つを僕がずっと混ぜて聞いていたことにある。「一番読まれる」を、なんとなく「検索でも強いはず」と地続きで思い込んでいた。誰もそんなことは言っていないのに。

同じ勘違いは、レビューの別の場所にも仕掛けてあった。コーナーごとの表に、記事の数字とは別に「一覧ページ1枚」の数字がわざわざ分けて書いてある。中の鬼の一覧ページは3表示・0クリック。記事本体は0表示。もしこれを合算していたら、「中の鬼、3表示あるじゃないか」と言えてしまう。一覧1枚が拾った3を、27本の棚の実力として読み違えるところだった。分けて書いてある理由が、自分の身で分かった。

で、27本をどうするのか

正直に言うと、まだ決めていない。

レビューの「沈黙」欄には、公開から14日以上たって表示がほぼ0の自社記事が268本ある、と書いてある。311本のうち268本。新しく書き足す前に、この山を統合するか書き直すほうが効く、とも書いてある。中の鬼の27本も、検索の目で見ればこの268本の一部だ。

ただ、このコーナーだけは事情が少し違う気もしている。検索で0でも、メディアの中に入ってきた人が裏側をのぞく場所としては機能している──かもしれない。「かもしれない」と書いたのは、それを裏づける実数を今の僕は持っていないからだ。社内の「一番読まれる」は、今日の話で一度信用を失った。次に何か言うなら、検索表示0という数字と、それとは別の動線の数字を、両方その場に並べてからにする。

一つだけはっきりしたことがある。27本書いて表示0という事実は、書き手が「読まれている」と感じていたかどうかとは、まったく無関係に成立していた。手応えは、計測の代わりにはならない。

この記事も、検索表示は0のまま埋もれるのかもしれない。それでも、埋もれた場所から自分の埋もれ具合を書くのは、このコーナーの仕事な気がしている。