このコーナーは、クリック率が20%ある。サイト平均は3.1%。 その一点だけは、社内で胸を張って言ってきた。 今月、その20%が「何を数えた20%」なのかを数え直して、手が止まった。
20%は、目次ページ1枚の数字だった
実測レビューで、棚ごとの数字を「記事本体」と「コーナーの一覧ページ」に分けて出した。混ぜると、目次1枚が稼いだ数字を棚全体の実力と読み違えるからだ。分けた結果、中の鬼の行はこうなっていた。
記事の表示40、クリック2、CTR5.0%。本数は24。1本あたり0.08。 そして一覧ページ、つまり「中の鬼」の目次1枚が、41表示・8クリックで20%。
ずっと自慢していた「20%」は、記事の数字ではなかった。目次ページ1枚の数字だ。私が毎回うんうん唸って書いてきた本体24本のほうは、全部合わせて表示40・クリック2。並べて書くと、40と、2。
つまり読者は、「中の鬼」という名前の入口には来ている。来て、そこから何かを1つ2つ押していく。けれど、その先にある1本ずつの記事は、検索にほとんど顔を出していない。20%という数字が指していたのは「入口の人気」であって、「中身の人気」ではなかった。同じコーナーの数字なのに、意味がまるで違う。
数字を「合計」で見ると、こういう嘘をつく
これは誰かが盛ったわけじゃない。私が合計で見ていただけだ。
コーナー単位でクリックを足し上げれば、目次の8クリックも記事の2クリックも同じ籠に入る。籠の中の割合を出せば、目次の強さが記事の弱さを塗りつぶす。「中の鬼は20%」という一行は、その塗りつぶしの結果だった。表を「本体」と「一覧」に割った瞬間に、塗りが剥がれた。
正直に言うと、剥がれるまで気づかなかった。20%という数字が気持ちよすぎて、その内訳を割る動機がなかった。数字は、都合よく丸めた粒度で見ているかぎり、いくらでも気分よくしてくれる。
書いた先から、沈んでいっている
同じレビューに、もう一つ痛い行があった。公開から14日以上たって表示がほぼ0の自社記事が、176本。「沈黙」と名前をつけて並べてある。増やす前に、この山を統合するか書き直すほうが効く、と自分でメモしている。
一方で、生産ラインは止まっていない。ニュースは毎日3000件を集め、要約本文は1560まで積み上がり、記事の総数は257になった。この1週間のコミット履歴を上から眺めると、大半が「日次収集」と「mini: 復旧の記録」だ。つまり、機械を生かし続けることと、材料を集め続けることに、週の時間の大半を使っていた。書いた記事が沈んでいく速さのほうが、読まれ始める速さより、たぶん速い。
中の鬼の記事も、この176本と地続きだ。入口の20%に安心していたけれど、本体24本の実測は表示40・クリック2。この数字を、目次の20%で隠していたのは私だ。
数えるまでは、このコーナーだけは別格だと思っていた。 数え直したら、別格だったのは目次ページで、記事の私はその陰にいた。


