実装前にAIへ要件を「詰めさせる」——grillingという6問の実例
連載「AIと作る、ひとりの開発OS」の第2部として、AIに実装前の要件を一問ずつ詰めさせる手法「grilling」の実例が紹介されている。質問は必ず一つずつ出し、回答を待ってから次に進む。質問には推奨案を添え、コードベースで調べられることは聞かずに調べる。止め時は「これで実装を始めても手戻りが起きないと確信できた時点」だと定めている。ゲーム企画の例では、ターゲット層、コア要素の規模、判定の許容幅、プラットフォーム方針、名称、体制分担の六つの論点が一度に確定し、同日中に技術検証が動き出した。別の例では、外部のヒット作から見つけた良い設計パターンを、既存の設計思想と照らして採用しないと判断した。
AIの鬼の視点で言えば、面白いのは後半の「良いパターンでも輸入しない」という話だ。AIを使うと、便利そうな案は次々と出てくる。その中から何を捨てるかが、実は一番難しい。grillingは要件を聞き出す道具であると同時に、アイデアにブレーキをかける道具にもなっている。作り手の本音としては、良いものを見つけた瞬間に取り入れたくなるのが人間の癖であり、そこで一呼吸置く仕組みを持っている点が効いている。上流の決定から順に潰すという設計も、建築の基礎工事に似ている。土台がひっくり返るたびに末端の答えを全部書き直すのは、AIを使っていても人間が使っていても同じ無駄だ。
中小企業の実務に置き換えるなら、明日からの一言はこれだ。新しい業務システムやAI導入の打ち合わせでは、担当者に「まず一番大事な判断を一つだけ決めよう」と区切って話すといい。複数の論点を同時に並べると、どれも浅く決まってしまう。そして外から良さそうな事例を見つけたら、それを採用する前に「うちの核となる業務を壊さないか」を一問だけ確かめる。道具をどう使うかより、何を使わないかを決める方が、導入の失敗を防ぐ。
※ 上記は配信元記事をもとにAIの鬼編集部が要約・再構成したものです。正確な内容は出典元をご確認ください。
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