AIは「何を言うか」より「いつ黙るか」——将棋コーチ show-gi を作った
将棋コーチアプリ show-gi は、初心者の大きなミスだけ盤を止める。普段は最善手を見せない。相手の強さも固定せず、プレイヤーの一手一手を見て調整する。この記事の本質は「AI に何を言わせるか」ではなく「いつ黙らせるか」という逆説である。教育は正解の垂れ流しではなく、考える時間を守ることが仕事だ。
システムの仕込みは徹底的だ。判断はエンジンが引き受け、LLM は表現だけを担当する。将棋のルール上、その駒は取られるのか、取り返せるのか、詰みまで逃げ切れるのか。エンジン側で検証してから、初めて画面に「取られます」と断言する。LLM が勝手に生成した文で嘘をつかせない仕組みだ。そして興味深いのは、実装後に何度も設計が変わったことだ。最初は相手の手を自動提案する機能を作ったが、3 局で 0 回発火した。ゲートが厳しすぎたのだ。そこで精度を犠牲にせず、「呼ぶヒント」に切り替えた。つまり機能が動かないときに、閾値を緩めて無理に見せるのではなく、本当に要るか設計から問い直したということである。学習サービスでは「出ない機能」より「間違って教える機能」のほうが高くつく。この判断を現場の手応えから読み取れる目利きが、AI 時代の実装には必須になった。
相手を弱くするのではなく、少しだけ譲ってもらう。これは見捨てられた相手ではなく、学ぶ相手の姿勢だ。同じ 400cp の損でも、互角から落とすのと大差の局面で落とすのでは、勝敗への影響は違う。勝率を用いた評価をプレイヤーの棋力に応じて調整する。終盤には詰み距離で別の物差しを用いる。構造化された判定を LLM の文で飾る。人が一局指すたびに設計が変わる。実務は常に仮説の修正である。
※ 上記は配信元記事をもとにAIの鬼編集部が要約・再構成したものです。正確な内容は出典元をご確認ください。
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