AIは自信がなさそうだ、とずっと思っていました。「〜かもしれません」「おそらく〜です」。あの腰の低い語尾。断言を避けて、そっと逃げ道を用意しておく感じ。人間でいうと、会議で発言したあとに小声で「知らんけど」と付け足すタイプです。
それを数字で確かめたくなりました。うちのメディアの記事は180本。どれもAIと一緒に書いてきた文章です。ここをgrepすれば、AIの弱気が定量化できる。「AIの自信のなさ、実測しました」という記事が一本できあがる。完璧な計画でした。
結果を先に言います。「たぶん」3回。「おそらく」4回。「かもしれません」13回。合わせて20回でした。
180本で20回。少ない。想像よりずっと少ない。検索条件を間違えたのかと思って何度かgrepし直しましたが、数字は変わりませんでした。
念のため、逆側も数えました。言い切りの代表格「重要です」。これが41回。弱気ワードの合計20回に対して、言い切りが41回。倍以上です。AIは腰が低いふりをして、そのすぐ裏で堂々と「重要です」と断言していたのです。柔らかい敬語の奥で、こいつは意外と強気でした。
で、ここからが本題なのですが。
数え終わったあと、ふと自分の一日を振り返りました。朝から私は何回「たぶん」と言ったか。見積もりの返事は「たぶん大丈夫です」。納期の確認は「おそらく間に合うかと」。メールの書き出しはだいたい「すみません」。数えてはいません。数えたら負けな気がしたので数えていません。ただ、AIのように20回で収まっている自信は、正直ありません。
つまりこういうことです。日々「たぶん」と「すみません」を連発している人間が、記事180本で20回しか弱音を吐いていない相手に向かって「お前は自信がなさそうだ」と言いがかりをつけ、わざわざgrepまで回した。測られるべきは、どう考えても私のほうでした。
強気なAIと、弱気な人間。この逆転を発見と呼びたいところですが、鏡を見れば済んだ話という気もします。
なお、この記事もAIと一緒に書きました。本文中に「たぶん」が何回あるかは……数えるのはもうやめておきます。それが重要です。