AIへの指示書を、現場の標準作業手順書として書き直した
Claude Codeに同じ指摘を3度した。最初は「テストを実行してから完了報告して」。次のセッションでは一部テストだけ通して完了と言われた。表現を変えて「全件実行し、結果を貼ってから」と直した。今度はテストは通ったが結果を貼らずに「通りました」とだけ返ってきた。三度とも字面の指示は守られているのに、その裏にある「次工程に不良を流さないため」という本質が伝わっていない。人間相手なら「さっき言ったよね」で通るが、AIとのセッションは会話が長くなると圧縮される。口頭指示は実質的に消える。
これを見て、著者は工場の検査工程で見た光景を思い出す。理由が書かれていない作業手順書は、同じ種類の不具合を形を変えて繰り返すということだ。現場の標準作業手順書は常に3点セットで書かれている。手順(何をするか)、基準値(どこまでやるか)、理由(なぜ。たいていはヒヤリハット事例)。手順だけでは人によって仕上がりが変わり、理由がなければ状況が少しずれた瞬間に条文だけが独り歩きする。AIへの指示書も同じだ。「テスト結果を貼る」という手順に「一度『通ったはず』で報告され、実際は失敗したまま次工程に進んだことがある」という理由を付ければ、抜け道はぐっと減る。基準値が数字になれば、判断の余地も消える。著者が検証した指示書9本、合計56項目のうち46項目(82%)に「なぜ」が付いており、付いていない10個はいずれも方法論の説明で、付いている46個はほぼ全部、実際に何かを失敗した後に追加された項目だった。
中小企業にとっての教訓は「AIツール導入で効きが出ない」という悩みは、実は「指示書文化がない」という昔からの課題と同じだということだ。マニュアル作成よりも「なぜそれを禁止するのか」を明示する方がAIは動く。手順書は使いながら育てる。完成させてから使うのではなく、何かズレが起きるたびに「なぜ」を1行足す。ヒヤリハット報告書と同じ進化を遂げるのだ。チェックリストで「なぜ」の有無を点検する習慣をつければ、AIとの仕事は見違えるほど効率化する。
※ 上記は配信元記事をもとにAIの鬼編集部が要約・再構成したものです。正確な内容は出典元をご確認ください。
このニュースの全文は、配信元でお読みいただけます。 Zenn AIで元記事を読む →
