AI推進が止まったら、ツールや研修の前に組織図を疑え
StoreHeroでCPOを務める筆者が、AI導入の進捗が止まる理由を組織図の観点から書いた。導入から7か月あまりで、Agent Skillsは合計で200弱、Agentic RAGやエージェント間のタスク受け渡し基盤、利用計測の仕組みも整ったという。それでも利用量が伸びないメンバーがおり、作り手には正しい仕組みでも、使う側には増えた義務として届いていた。研修動画を20本以上作っても埋まらなかった乖離の原因を、筆者は技術ではなく、導入の方法論を持つ人と人の行動を変える権限を持つ人が別の椅子にいることだと結論づけている。背景には、2026年6月にメルカリが執行役員CTOの木村俊也さんをCHRO兼CAIOに任命したニュースがある。
AIの鬼が膝を打つのはここだ。多くの企業はAIが進まないと、ツールを変え、研修を増やし、ルールを明確にする。だが筆者が示したのは、その前に組織図を疑えという順番である。方法論を持つ推進側は現場の業務ルーティンや評価を変えられず、権限を持つ側は道具を配れば済むと思っている。善意のまま義務だけが積み上がる構造は、個人の説得では動かない。組織の分業とは、コンテキスト移転コストを節約した跡にすぎない。AIがその前提を壊すなら、分業線を引き直すのが本丸だ。メルカリが役職そのものを統合した判断は、その重さを象徴している。ただし筆者自身が指摘するように、統合には権力の集中や単一障害点というコストも伴う。統合が唯一の正解ではなく、共有の計器盤で同じ事実を見ることも選択肢になるという点は、大きな体制を持たない会社にも現実的な示唆である。
中小企業では、社長が推進役と権限者を兼ねていることが多く、この問題は起きにくいように見える。しかし現場のベテランに「AIを使え」と言うだけで、業務の型や評価を変えないまま進めていないか、一度点検してみてほしい。明日からできる確認は一つ、AI導入を担当する人が現場の手順と評価を実際に変えられるかを問うことだ。変えられないなら、ツールを増やす前に、その人へ権限を渡すか、現場の不満を数字で見える場所に置くことから始めるとよい。
※ 上記は配信元記事をもとにAIの鬼編集部が要約・再構成したものです。正確な内容は出典元をご確認ください。
このニュースの全文は、配信元でお読みいただけます。 Zenn AIで元記事を読む →


