オープンソース化されたRISC-V AIチップET-SoC-1が、llama.cppで動く
GPU一辺倒の推論アクセラレータ市場を前に、数年前に消えていたRISC-V AIチップが、ソフトウェア生態系を通じて再び浮上した。Esperanto Technologiesが設計したET-SoC-1は、1,088個の小さなRISC-Vコアを1つのダイに敷き詰めた推論特化チップで、ピークで100~200TOPSを20W以下でこなす「電力あたり性能」に全振りした設計だった。当初はデータセンター向けのレコメンド推論を主戦場に想定していたが、製品としては広く普及しないまま事実上失速する。転機は2025年11月、スタートアップのAinekkoがEsperantoの知的財産と資産を取得し、RTL・設計・開発ツール一式をオープンソースとして公開すると発表したことだ。「LinuxがサーバーにもたらしたものをオープンハードウェアはAI推論にもたらせる」というこの一手は、単なるコード公開ではなく、ハードウェアの民主化を意味している。従来、AIチップといえば大手メーカーの完成品を「買うか買わないか」の二択だった。だが今、設計データが手に入る。ロボット、産業機器、IoT向けに独自のシリコンを作りたい人にとって、これはそのまま参照できる設計図になる。その実例が、推論ランタイムllama.cppへのバックエンド統合だ。7月のマージで、ET-SoC-1の PCIeカード上でllama.cppが動くようになった。絶対性能は一般的なCPUに及ばないが、効いてくるのは電力あたりの性能だ。エッジで小型モデルを低消費電力で常時動かしたい用途には、これは選択肢になり得る。もう1つ実務的なのは、手元にハードウェアがなくてもシステムエミュレーションモードで試せる点だ。新しいハードのバックエンドで最初につまずくのは「そもそも現物が手に入らない」ことだが、この工夫がレビューや貢献のハードルを下げている。派手な新モデル発表に比べれば地味だが、「終わったシリコン」がオープンソースを経由してソフトウェア生態系に再接続される流れそのものが、推論の多様性を残す上で重要だ。
※ 上記は配信元記事をもとにAIの鬼編集部が要約・再構成したものです。正確な内容は出典元をご確認ください。
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